志村後ろ

 

11/4に映画観た。映画館で観たのは4ヶ月ぶりくらい。なんだかんだちゃんと学校忙しかったんだなと感じた。前半に『野火』、後半に『スイス・アーミー・マン』の事を書く。読み返すと結構ネタバレしてる気がする…ので嫌な人は読まない方がいいかもしれん。とばっちりで『モテキ』もネタバレしているな。

 

1本目は『野火』。戦争映画。2015年の映画だけど、戦争を忘れないようにと山形では毎年上映しているそうだ。上映後は塚本晋也監督のトークショー付き。ゼミが終わったら絶対映画を観てやるって決めてて、今どんな作品が公開されてるのかなーって映画館のホームページを見てたら偶然発見した。『野火』は小学生の頃に通っていた公文の国語の教材で少し読んだ事があったんだけど映画は結局観てなかったんだよね。そのくらいの知識だけなのにノリと勢いで前売券を買った。学生の券はとても安かった。若い人に伝えていきたいって言ってたからだと思うんだけど。監督の他の作品も名前しか知らないし、監督本人が主役やってるのもトークショーで出てきた時に気づいたし、なんか見た事あるなと思ったらBLANKEY JET CITY中村達也出てたし。戦争映画そこまで観ないし。お母さんに「死ぬまでに絶対観ておけ」って言われた映画がいくつかあるんだけど、そのうちの『シンドラーのリスト』と『ライフ・イズ・ビューティフル』は観たな。あと『火垂るの墓』とか。そんくらいで挑んだ。

 

気持ち悪かったね。率直に言うと。もちろん銃撃とかのシーンで人がやられまくって血がドクドク、臓物ビシャアっていう戦争の出来事自体がもたらす気持ち悪さもあるんだけど、戦争っていうツール?によって主人公の心がすり減っていって、焦燥に駆られて、どんどん正気でいられなくなっていく描写が嫌だったな。なんとかバランスを保って積み上げられていたものがグラグラしてきてカクンッと崩れる感じ?コップに水が溜まっていって、一滴が零れるか零れないかみたいな感じ?あと、ぷらっとほーむという団体の松井愛さんが「冒頭の上司と部下の絶対に逆らえない関係性が嫌だった」と言っているのを聞いて、なるほどたしかに気持ち悪かったなと思った。監督が言っていた「肉感覚で戦争が嫌なものだと植え付ける」の状態にまんまとなってしまった。もちろんそれが良い状態だと思うけどね。そしてもう1つは自然がめちゃくちゃ綺麗。まさに杜甫の国破れて山河ありの詩そのもの。監督が原作を読んだ時、雄大な自然の中で人間がいかにちっぽけな事をやっているかという描写に惹かれたから力を入れた部分だと言っていた。赤いお花(ケイトウ?) に女の子の声が当てられているシーンがあるのだけれど、グアングアンとトリップする感覚だった。上映とトークショーが終わった後はサイン会もあったんだけど「私今日勢いで来ちゃったし、あんま詳しくないし…」という無駄な遠慮をしたせいで列に並ぶ事が出来なかった。ので来年また観に行ってサインをもらおうと思う。色んな人に観てほしいと言っていたので次は是非誰か一緒に行きましょう。来年もまだ学生の方はお得なうちに観るといいかもよ。

 

あと余談?なのだけれど、『野火』を観てから『ガールズ&パンツァー』観たら素直に楽しめない事が発覚した。ストーリーとかは全然好きだけど戦車が砲弾打つ音とか白旗揚げた後の戦車内の女の子達が死なないとはいえちょっとボロッとしている所とか。めちゃくちゃ怖い。そのくらい音とか戦車のディテールにこだわってる作品なんだなと改めて思った。「ガルパンは戦争助長アニメだ!」と言ってる人を見て大袈裟だな〜なんて思っていたけれど、久しぶりに観たらサンダース戦終わりの「これは戦争じゃなくて戦車道」というおケイ様のセリフを素直に聞き流せなかった。これからも好きだしまた大洗にも行くと思うけどね。でも確実に新しい捉え方が増えた。

 

サイン会を横目に見ながら2本目は『スイス・アーミー・マン』。だいぶ前から予告がされていたけれどその時から観たくて仕方がなかった。ダニエル・ラドクリフが死体…その時点でやば過ぎる。私の実家には小さい頃からハリーポッターの本があって映画は賢者の石から毎回家族で観に行くのが恒例だった(いつからか思春期やらなんやらで行かなくなったような気もする)。昔から観ていたあのハリーポッターが…ってね。

 

内容も予告以上にぶっ飛んでいた。終始ニヤニヤしていた。基本は友(死体)と繰り広げるサバイバル生活って感じかな。でも面白いだけではなくて、グジュグジュした冴えない男の叶わない恋も描かれた結構タイプな映画だった。

 

この映画を観て思い出したのが今年の正月深夜にやっていた『モテキ』。自己肯定感が低くて異性とまともにコミュニケーション取れなくて観ているとああ死にたいって気分になるタイプの男が主人公(ザックリとしか覚えていない)。ずっと自分を観てるようでグサグサ来て、でもそれが良くて観てたのに結末としてはフェスで麻生久美子と良い感じになって終わる。めちゃくちゃムカついた。このヤロー幸世!てめーはこっちの人間だろ!俺達が麻生久美子と良い感じになれるわけねーだろ!全力で殺しに来い!置いてくな!って思ったしツイートした記憶がある。面白いけどね。観た時期が悪かったんだと思う。年末年始皆が帰省してる中自分は山形に残って毎日毎日バイトをしていて、心と生活が荒んでいる時に観てしまったから。ショートの長澤まさみ可愛いし。あと前後の流れを忘れたけど麻生久美子が早朝から牛丼食ってるシーンがめちゃくちゃ大好き。

 

けど『スイス・アーミー・マン』は女の子と結ばれないんだよね。死体と遊んでたわけのわかんねー奴が突然自分に寄り添ってくるもんだから涙が出そうになる。けどぶっ飛んだ設定とギャグのおかげで結局ニヤニヤしながら映画館を出れる。そんな映画。

 

卒論がMAXで忙しくなるまであとほんの少し猶予がありそうだからもう何本か今年中に観たい。結局ストゥージズの『ギミー・デンジャー』は飲み会がかぶって観るの諦めちゃった。最近公開している映画でオススメあれば是非教えてください。